月別アーカイブ: 2012年12月

【TED】ダフニー・コラー「オンライン教育が教えてくれること」

ダフニー・コラー「オンライン教育が教えてくれること」(20:41)

http://www.universalsubtitles.org/es/videos/Yt7cqjrEF6Jp/ja/376040/

【私的要約】

オンライン教育による教育の可能性への提案〜(彼女の立ち上げたcourseraを通して)〜

OCWには素晴らしい講義がたくさんあるが、講義形式では習得率に問題がある。
そのためには以下のような学習への効果的なサポートが必要。
その中でも、チューターの有無というのが、学習の習得に対して大きな影響力を持つ。

  • 講義中に確認問題をさせる(全ての受講者に講義での問いかけへの応答を強いる)
  • 通常の講義のような履修期間・締切などを設定する
  • テスト実施と自動化されたフィードバック・チューター制度によって習得のサポートを行う

※ 確認問題や練習問題を講義内、ならびに習得内容の確認において実施し、
OCWの大量の受講者からテスト結果などの大量データを収集することができる。
マッシブデータを利用することで、仮説駆動ではないデータ駆動的に受講者の失敗へのサポートを構築しておくことができるので、
パーソナライズ化されたチュートリアル制度を自動化されたものを提供することが可能だという言明が、トークの大きなポイントとして存在。

【所見・感想】

非常に説得力があった。
世界レベルで質の良いOCWがあふれる現在の状況において、

  • 学習をサポートするカリキュラミングをコーディネートすること
  • ネットを通じてできるオリジナルな価値を付加価値として活用すること

というシンプルな仕組みが、本当に有効性の高いものとなりうるんだな、と感じた。

何かができないときに学べないという環境がなくなっているので、
言い訳が利かないことだらけになってるな、とも。

とはいえ、

  • OCWをいかにキュレーションするか
  • 個人の学習への適切なカリキュラム設計

というシンプルな2つの発想のサービスが、現状特にそんなにないなと思いました(調べてはないです)し、
安直やけどそういうものってもっとわかりやすく存在しても良いなと思いました。

別途、このようなマッシブデータを活用することによって、「質的調査を量化する」というのはここ数年のトレンドではあると思いますが、
本当にきちんとした質的調査を置き換える可能性がこのような方法論にあるかと問われると、現状個人的には懐疑的。
きちんとした質的調査は、大枠で、

  • 技能としての質問調査能力や背景として要請される現象学的知識などが問われる
  • 何を量的に調査すべきかの予備調査のために、インタビューなどを行い予備調査、分析を行う(この予備調査自体が一つの研究成果となるレベル)
  • 質的調査を元に量的調査を作成し、実施、分析を行う。

というようなプロセスを踏みますが、
ターゲット選定や調査項目設計の精緻さなどにおいては既存のこのような方法論のほうが優れている部分は多いと思います。
ただ、こちらの方がミクロな調査にはその精緻さにおいて向いているとは思いますが、
視点を引いてマクロに一度全体を見直すにおいては、新たな方法論の寄与する部分が大きいと思うので、
うまく補完し合うような方法論として使い分けられるようにできるとベストだな、と思います。

【参考】

彼女の立ち上げたサービス
https://www.coursera.org/

Daphne Koller on Wikipedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Daphne_Koller
専門はコンピュータサイエンス系、機械学習などですが、教育に関する引用とかも正確なものだったと思いました。

【関連URL】

彼女の立ち上げたサービスの中の人が行っていた、別のTEDトークもあったので挙げておきます。
ピーター・ノーヴィグ「10万人が学ぶ教室」(6:12)

中の人としてのノーヴィクが語る、カリキュラム作成の具体的な内容の詳報な感じ。

  • テストを行う
  • 締切を作る
  • フィードバックを行う

という仕組みを組み込むことの実施と効果検証についてのトークという感じ。