月別アーカイブ: 2013年8月

【TED】ジェームズ・B・グラットフェルダー 「世界をコントロールしているのは誰か?」

私的要約:

 今回も要約は割愛。感想内で充分話の内容へ要約的に記述していると思われます。

感想:

 「複雑系」の研究者と聞くと、自身も遠からぬ理論体系出自であるため、特別な感慨を覚えざるを得ない。「創発」などといったキーワードは、「社会システム理論」や「オートポイエーシス」といった理論を背景に持っている私にすれば、まさにホームグラウンドになるはずであった(今は会社員をしています)。

 しかし、著者のネットワーク分析、複雑系的な観点からの経済分析の結果は非常に興味深いものだ。

 第一点目に、多国籍企業の支配力は0.1%の株主に非常に偏っており、さらにその1割以下に多国籍企業全体の40%を支配可能な支配力が固まっていると分析できるということ。
 第二点目に、そのような支配力の偏りは、集中した支配力の中にある種のバグが生じた時の影響力が大きいことを示しており、リスクの高い経済システムであるということが示唆できるということ。

 二点目については、バグが生じた際のリスクは確かに大きいが、その際に生じうる「システム」そのものの自己組織的な再組織化がどのように働くか次第で、かなりの揺らぎが生じると思うので、想定される一般的なリスクよりは結局低い影響に留まると思うというのが私見なので、そこまで意識する必要はないように思える。

 しかし一つの観点から提示された分析でしかないのだが、第一点目の指摘のように、そこまで偏りがあるように分析されうる現在の(分析対象を多国籍企業に絞ったとはいえ)経済システムは、世界全体としてそれが平等や公平と呼ばれるものでは全くなく、市場の自由によって価格均衡が実現されるような世界ではないことを端的に示してはいるだろう。もちろん、世界が平等や公平であるべき、などという陳腐な固定観念を排しても、偏りがあるという事実は知っておく価値がある。

 要するに、一部のエリートの(ある程度)意のままに操られるのが世界の実情ではないか、というようなありきたりな疑問を確信に変えてくれる力のある分析結果のように思える。
 もちろん話者の言うように、それは「システム」の「創発」現象としてシミュレートできたため、フリーメーソンなどのような陰謀論が真実であるということを意味している訳ではないが。

 ともあれ、非常に面白い分析結果だなぁと思いました。

参考

元になっている論文
The Network of Global Corporate Control

リンク

私的要約:

カナダのタールタン族やブリティッシュインディアン族にとって神聖なる地とされる地域の環境保護の話である。
そこは豊かな資源地として様々な企業による開発計画が興っているのだが、そこにある自然の神秘性やそもそもの豊かさから、そこを保護したいというのが話者の主張である。

感想:

いや、単純にまじすごい景観過ぎてめっちゃ見に行ってみたいというのが第一印象で、カヌーかなんかで河をのぼっていけるらしい。すごいいってみたい。
話のメインはよくある話っちゃ話で。開発と環境保護のトレードオフの話。
開発を論じることも人類レベルで重要な問題やし、環境保護を論じるのも同様に重要な話やけど、
前者は経済的な話であり、後者は道義的(CO2のように排出量がビジネスイシューにならない限り)な問題系となるから、そこの議論はいつも難しいなぁと思う。系が違う問題は適切な翻訳ができないと議論が成立し得ないから。
さらに言えば、現地の原住民から言えば信仰、つまりは宗教の話にもなる。

いずれにせよ先進各国には2030年までにクリーンエネルギー率をどこまで引き上げるかについての目標が設定されていたはずやし、そっち側の努力でなんとか環境保全側に傾けられないものか。いや、ここで私がそう言うのは、行ってみたいって理由からだけやねんけども。